コモンズ論
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第1回 『新コモンズ論』を読む ■新しいコモンズ論? 第1回は細見助博・風見正三・保井美樹編『コモンズ論——幸せなコミュニティをつくる八つの実践』(中央大学出版部、2016年)を読んでいきたいと思います。 この本を選んだ理由は特にありません。コモンズと名の付く最近の本の中で、何となく気になったものを選んだだけです。 まちづくりと関連してか、最近ではコモンズという言葉が気軽に使われているような雰囲気を感じます。この本も「コミュニティ」などと言っているし、その実践例の紹介のようです。 また「新コモンズ」と言うくらいなので、「これまでのコモンズ論とは違うのだ」と考えていることがうかがえます。 前に「パークマネジメント」に関する本を読んだ際に感じたことなのですが、新しい言葉が出てくる時というのは、実はその言葉には中身がないのかもしれません。 なんとなく新しい言葉を共有して使っているけど、実はそれぞれが勝手な理想を語っているだけで、それらに共通のテーマ性があるようにプレゼンする手段として、その言葉をタイトルに用いているだけだなのだとしても、不思議ではありません。 この本がそうだというわけではありませんが、本を出すため、あるいは何らかのシンポジウムを成立させるために作られた中身のないカテゴリーないし、レッテルに過ぎず、それ自体が政治的な産物である可能性を疑ってみる必要があると思います。 もっとも、社会科学のあらゆる研究が政治的な思惑から自由であるわけはないし、むしろ、どのような政治的思惑に関係しているかを意識的にとらえていけばいいのかもしれません1)。 ■政治的な思惑 このような私の考えを予測したわけではないでしょうが、第1章「創造的なコモンズ——現代社会に必要な新しいコモンズ論」(細野助博)はコモンズ概念の総合的な検討を兼ねているようです。 大辞林で「コモンズ」を調べると、「所有権が特定の個人でなく共同体や社会全体に属する資源」と書かれています。「コモンズ論」といった場合、そのような資源を管理する仕組みについての議論と考えれば良いでしょう。 →第2回 ■別に読まなくていい今回の独り言 1)そんなこと言ったら、「コモンズ論」と銘打ったこのコンテンツは何なんやっちゅう話になるわな。 |
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