コモンズ論
—サブタイトル未定—

はじめに

 突然ですが、コモンズ論と題したコンテンツをはじめたいと思います。

 私がコモンズという言葉を意識しだしてから、かれこれ5年か6年が経っていると思います。博士論文を書き終えて、次に何をしようか決めかねているところで、とりあえず野宿者支援の現場に復帰しようと考えたのが、2015年の2月末のことでした。

 その時は、本当にとりあえず、現場の空気に触れながら考える機会を確保しておこうくらいの考えでした。また、現場に復帰してもいい条件がたまたま整ったということもありました。

 それから1年後のある野宿者排除をきっかけに、きちんとしたフィールドワークとして取り組んでみようと決めました。その後、野宿者が暮らす公園や路上だけではなく、大阪で都市下層について考えるには切り離すことのできない、釜ヶ崎との関わりも深めていくことになりました。

 キーワードの一つはジェントリフィケーションで、これは公共空間の商業化と関係していました。公共空間の商業化は、今や政治行政にまで浸透して、私たちの生活のありとあらゆるところに及んでいます。

 もう一つのキーワードがコモンズです。コモンズはジェントリフィケーションに対抗する主体を構想するための手掛かりであると同時に、ジェントリフィケーションを正当化するための装置として、権力構造に取り込まれつつあります。

 いずれも重要な概念であるにはまちがいないのですが、どこからどうやって手をつけて行ったらいいのか分からなくなっています。

 そこで、このコンテンツではコモンズに関係する文献や論文を読み込みながら、この課題の出口と出口へといたる道筋を探っていきたいと思います。

2023年3月16日(木)

第1回 『新コモンズ論』を読む